退職金税金

現在の退職金はどうなっているか?

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現在でも、確かにこの基本給連動型退職金制度というものは残されています。しかし、この退職金制度が主流から外れつつあることもまた、事実のようです。

 

この退職金の支払方法の変化と日本の雇用システムの変化とは密接な関係にあるようです。これは、会社側と従業員側、両者から見て必然の流れであったということができます。

 

というのも、かつては会社側にとってもできるだけ労働力を確保する必要があったため、年功序列や終身雇用という制度が必要とされてきました。その意味で、退職金制度も、勤続年数が長いほうが目に見えて退職金の面で優遇されるというシステムが取られていました。

 

実際、基本給連動型退職金制度をはじめとして、当時の日本の退職金制度では、20年という勤続年数が一つの基準になっていたようです。 この20年という年数を境として、もらうことのできる退職金の金額が大きく変わったといわれています。また、他の会社に転勤するなどといった自己都合による退職の場合、それだけで、退職金の減額の対象となりました。

 

こういったシステムにすることで、日本の企業では全ての従業員に定年まで勤続することを求めたのです。実際、従業員側も、これだけ長く勤続すれば、いろいろな面で優遇されることがわかったので、それに従っていました。

 

ところが、長い年月をかけると、日本の産業構造にも変化が出てきました。これによって、基本給連動型退職金制度のような退職金支給のシステムは問題点が出てくることになりました。

 

というのも、退職金の面倒を見るのは、この基本給連動退職金制度から見ると、全て企業ということになります。ということは、それぞれの従業員が退職するときに備えて、その分の退職金を確保する必要があります。

 

このためには、何か金融商品を購入することで、その資産を増やしておく必要があります。これが運用です。 景気のいい時には、ほぼどの金融商品を購入したとしても、確実に資産を増やすことができるでしょう。ところが、これはあくまで好景気の状況という前提条件がつきます。

 

現在は世界的な不況といわれています。また日本単独の経済状況を見ても、かつての高度経済成長のような長期的な好景気になる可能性は極めて低いといわざるを得ません。このような状況下では、資産を確実に増やすことのできる金融商品は限られてしまいます。

 

しかも、全従業員の退職金をまかなうためには、かなりの資産運用に関する努力をする必要があります。一人一人の退職金も大きな額になりますし、全員分となると莫大な資金を用意しておく必要が出てきます。 このような経済の状況でこれだけの資産運用を行うのはかなり困難であるということになります。それだけの運用リスクを企業の方でも背負いたくないというのが本音でしょう。

 

また、人材の長期的な確保というかつての終身雇用や年功序列を生み出してきた企業土壌も、現代の企業には疎まれる傾向があります。 というのも、終身雇用を行うと、どうしても人材が固定化してしまうことになります。すると、新鮮さを欠いてしまったり、人事における空気のとおりが悪くなってしまいます。

 

また、情報化社会である今日の日本社会からすると、スピーディさが重要な要素になってきます。すると、若く新しい人材というものをどうしても企業側としても必要とします。 このような時代の流れの結果として、現代の日本の社会ではかつての年功序列や終身雇用という構造が崩壊しつつあるのです。

 

また従業員側の企業に対する意識にも変化が生じてきています。それまでは、同じ会社に長年勤務をしていた方が自分にとって得であるという風潮があったので、その流れに従っている人が大半でした。 ところが現在の日本社会はそのような風潮にありません。長期の不況によって、企業の側でも生き残りの方策として、リストラという名のもとに従業員の首切りを行ってきました。

 

ですから、従業員側からすると、かつて存在していた確実な終身雇用に対する信用がなくなってしまいました。 従業員側としたら、条件のいいところがあれば、別に一つの会社にこだわることなく転職がしやすくなりました。 つまり、両者の利益から終身雇用型から、能力主義型に構造が変化しつつあるのです。

 

つまり、確実な終身雇用を保証するところがないのなら、実力のある人は、その人を高く評価してくれるところがあれば、そこに転職をしようという考え方が主流になりつつあるのです。